オーバードライブはペダルボードの基礎とも言えるエフェクターです。真空管アンプをボリュームアップさせていった時に得られる”美味しい“サウンドを、手軽に得られるように開発されたものですが、現在では様々なモデルが発売され、どんなギタリストのエフェクターボードにも必ずといって良いほど存在する、ギターサウンドの要のエフェクターともいえます。オーバードライブは古典的でありながら、多様性があるエフェクターですので、今回は安価で買えるモデルの中から使えるモデルを紹介していくことにします。
常時オンにするモデル、重ねてオンにすることで輝くモデル、ソロの時にオンにしてボリュームを稼ぐ、ゲインを少なくしてアンプをよりパワーアップさせるなど、オーバードライブは様々な使い方があります。
伝説化しているようなモデルから、チープなモデルまでそのバリエーションも様々ですが、パーツの供給などの観点から現在では作ることの難しいモデル、や生産が終了したものなどのサウンドがどうしても欲しい場合は、リメイクモデルなどを手に入れるのも一つの手です、ありがたいことに十分過ぎるほどのエフェクターブランドが作ってくれていますし、2020年になった今では、予算の点から音を妥協しなくては…なんてことは悩む必要が無いほど良質なペダルが開発されています。この記事では手頃な価格のオーバードライブペダルを幾つかピックアップしてみました。もちろんすぐに購入可能な物ばかりです!さぁ、激安オーバードライブの世界へ飛び込んでみましょう!
激安オーバードライブ9選
- Effects Bakery Bagel OverDrive
- Muslady Mosky Golden Horse
- Revol effects EOD-01
- Ibanez Tube Screamer Mini
- Tone City King Of Blues
- Caline CP-12 Pure Sky
- Electro-Harmonix Soul Food
- Joyo Ultimate Drive
- Joyo Taichi
1.Effects Bakery Bagel OverDrive
- モチーフになった機種は? – Tube Screamer
始めにEffects Bakery Bagel OverDriveをご紹介します。Effects BakeryはOne Control製品で有名なLEP INTERNATIONALが製造する格安エフェクターラインです。¥3500-(!)で買える驚愕の激安ペダル!値段からは想像もつかない程の素晴らしいサウンドを奏でています。最近はすっかり定番化したミニサイズのペダルで、肝心のサウンドはというと、デモでも解る通りミドルに厚みのあるクラシックなオーバードライブサウンドです。ゲインを落としてブースターとして使うも良し、しっかりゲインを上げてレスポンスを上げるも良しな素晴らしいサウンドとなっています。
Effects Bakery Bagel OverDriveは、多くのギタートーンの基本となるハイクオリティかつスタンダードなオーバードライブサウンドを作るペダルです。Effects Bakeryならではのコスト低減により、低価格でありながらトラディショナルかつアンプライクな応答性を持ったオーバードライブを実現しました。
サステインも長く、明瞭で音が前に出る歪みです。ハイゲイン系のアンプやディストーションと組み合わせてソロで音を前に出したり、ゲインを下げ目にして複雑なコードをはっきりと発声させることができます。
VOLノブで音量を高く設定することもでき、DRIVEノブはほとんどクリーンなトーンから深いオーバードライブまで広く設定可能。伝説の808トーンだけでなく、もっとフラットでハイレスポンス、アンプライクなサウンドを実現しています。
Effects Bakery Official
2.Muslady Mosky Golden Horse
- モチーフになった機種は? – Klon Centaur
最も有名で、最も高価なオーバードライブペダルは?と聞かれてまず一番に思い浮かぶのがKLON Centaurです。中古市場では20万円以上の値がつくほど(!)の伝説的エフェクターですが、プロの愛用者も多く、多くのトーンマニア達から垂涎の的になっているモデルです。勿論数多くのクローンペダルも作成されており、中には本物以上のサウンドや、本物と全く同じ回路を使用している物まで、様々なモデルが作製されています。
Muslady Mosky Golden Horseは名前からも解る通り、恐らく最も安価なCentaurクローンのモデルです。参考動画からも解る通りサウンドは高価なモデルには少し及びませんが、それでも¥3000-を切る価格で(!)販売されており、本家の70分の1ほどの値段で手に入ることを考えると十分な出来と言えるでしょう。こちらも同じくミニサイズの筐体を採用しており、トーンマニアの話の肴に買ってみるのも一興かもしれませんね。
3.Revol effects EOD-01
- モチーフになった機種は? – BOSS BD-2
RevoLeffectsは輸入代理店などで有名な、キョーリツコーポレーションが開発したエフェクターです。こちらはBOSSのBD-2をモチーフにしたのではないかと予想される鮮やかなブルーが印象的なモデルで、この小さな筐体にClean/Boostのセレクトスイッチが搭載されており、より多様なスタイルに対応したモデルだと言えます。歪み量も若干多いので、普通のオーバードライブよりもう少し歪んだサウンドが好みという方におすすめできるモデルと言えます。
驚きの価格は¥3000-を切る(!)など、信じられない価格設定になっています。
4.Ibanez Tube Screamer Mini
- モチーフになった機種は? – 本物のTube Screamer!
Ibanez TS808は数えきれない程のペダルボードに採用されたモデルです、そして同様に数多くのジャンルを飛び越えて、ブルース/インディーロック/メタルまであらゆる目的で使用された非常に多様性のあるペダルと言えます。
ローゲイン/ハイボリュームのセッテイングにして、アンプの入力を過大にすることで”Tube Screamer”の名の通り、真空管を歪ませ、美しいトーンを引き出すのです。
チューブスクリーマーの重要なサウンドの一つに、独特の”ミッドハンプ”と呼ばれる中域を持ち上げる効果により、ギターの信号にパンチと透明感を加えることが出来ます。この効果により、チューブスクリーマーがソロやリードを演奏する時に理想的なブースト効果をもたらすのです。
Ibanez TS MINIはこれらの機能をそのままにマイクロサイズのペダルにサイズダウンしたモデルです。トーンにうるさい人達は、オリジナルと比較して”クリーミーさ”が足りない、と言うかもしれませんが、もしあなたが、ノブを微調整する労力を惜しまなければ、兄弟機を買うより¥10,000-も節約できることになりますね!
5.Tone City King Of Blues
- モチーフになった機種は? – Analog Man King of Tone/Klon Centaur
Analog Man – King Of Toneは真空管アンプをプッシュした時に得られる、豊潤なハーモニックオーバードライブのサウンドを使いやすく再現する狙いで作製されたモデルです。King of Toneは信じられない程高価という訳ではありませんが、Analog Manの創始者Mike Pieraは厳格なため、中古価格が新品の価格の2倍程に膨れ上がっているのにも関わらず、一つ一つ丁寧に製作しているそうです。
もしあなたがKing Of Toneを手にしたいと考えたら、約2年程待つことを決意しなければなりません。これは内部回路に必要なパーツの供給不足によるものとのこと。しかし、この荘厳なブルーストーンは辛抱強く待った者にしか得られないという訳ではなさそうです。Tone City King Of BluesはKlon CentaurとKing of Toneを一度に手にいれることが出来るペダルです。
AチャンネルはローゲインのKlonスタイルの”トランスペアレント(透明感のある)”なブースト。ストラトなどのシングルコイルのピックアップのギターに、食いつき感をプラスするのにぴったりな音色です。Bチャンネルはより厚く、パンチのある、TS系の歪みとなっています。
純正主義者は本物のKing Of Bluesとの違いについて口うるさく言ってくるかもしれませんが、それは本家の偉大さから来るものですので気にしなくて大丈夫。何よりも2chのオーバードライブが¥10000-(Amazonでは少し高い)で手に入るのが魅力的なモデルです。
6.Caline CP-12 Pure Sky
- モチーフになった機種は? – Paul Cochrane Timmy Overdrive
Paul Cochrane – Timmy OverdriveはTS系ペダルの名機として知られていますが、そのTimmyを手頃な価格で再現したモデルがこちらのCaline Pure Skyです。
この小さな青い箱は伝統的なブースト/カットの2バンドEQ、そしてボリュームとゲインのノブがついて¥4500-程度と本家のTimmyより遥かに安く入手することが可能です。巷では価格の3倍以上の価値があると噂されるほど。ここに並んだペダル達にも引けをとらない出来栄えとなっています。
7.Electro-Harmonix Soul Food
- モチーフになった機種は? – Klon Centaur
これまでのモデルより少し価格は上がりますが、Klon Centaurを有名メーカーがリメイクしたらどうなるか、に挑戦したペダルをご紹介します。オリジナルのKlonは90年代前半に作られ、おおよそ8000個が製作され世に出回っています。18vオペアンプの効果によって、ヘッドルームを保ったままアウトプットゲインをあげることが可能になり、キラキラとした倍音を含むブースターとして非常に人気が出ました。
限定生産の弊害で(また中古価格の急騰によって)Klonのクローンモデルは大きなビジネスへと発展します。Electro-Harmonixは幾つかの象徴的なペダルを生産したことで有名になりましたが、誰もが手にしやすい機材を作るのも上手なメーカーです。安価で生産されたSoul Foodは瞬く間に市民権を得ました。
本機はピッキングダイナミクスに反応して、ゲインが様々な表情を見せるオーバードライブの魅力が凝縮されており、原音を損なわずに、アンプを良いサウンドが出るボリュームまで持ち上げてくれます。史上最も手にしやすいKloneモデルと言えるでしょう。
8.Joyo Ultimate Drive
- モチーフになった機種は? – Fulltone OCD
Fulltone OCDはアンプをエフェクターに閉じ込めたようなモデルとして有名で、幾度もの改良を経て現在はOCD V2となっています。改良中のそれぞれのバージョンも、ミッドレンジを微調整したもの、音量の差、LEDの色を変えた物など様々ありますが、どのモデルもPlexiマーシャルを鳴らしきったようなサウンドが得られるペダルです。
現在、伝説的なギターペダルはギター本体以上の値段で競り落とされることさえありますが、OCDは全然高価ではありません。現在流通している価格でも、投資に十分見合う程価値のあるペダルと言えます。Joyo Ultimate DriveはこのOCDを¥5000-以内で作製したモデルです。
このオーバードライブはOCDと全く同一のコントロールノブを有しており、ゲイン/トーン/ボリュームにドライブする帯域の微調整に使われるHigh/Lowのトグルスイッチが搭載されています。ハイポジションではハイミッドを強調した、よりドライブ感のあるサウンドが、ローポジションでは一般的なオーバードライブのようにピッキングに反応するオーバードライブ/ブーストサウンドを聴くことができます。
このリストの中でも手に入れやすい価格なので、失敗を恐れずに購入できるのが魅力的なモデルですね。
9.Joyo Taichi
- モチーフになった機種は? – Zendrive
Zendriveはもともと伝説のアンプ”Dumble Overdrive Special“のトーンを再現しようとして作製されたモデルです。この入手不可能なアンプはAlexander Dumbleの手によって作られ、数多くの逸話を残しているだけでなく、Larry Carlton,Carlos Santana, Robben Fordなどの名手の使用でも有名です。それを簡単に、手に入れやすい価格で入手できるのが、このJOYO Taichi R-02なのです。
ボリューム/トーン/ゲイン/ヴォイスコントロールの4つのノブで構成される本機において、ヴォイスコントロールがダンブルで有名なプリゲインEQのノブにあたり、数々の音色のバリエーションをもたらしてくれるノブでもあります。これを買っても家賃の支払いに影響が出ないというのが、一番の強みかもしれませんね。
激安オーバードライブまとめ
いかがでしたでしょうか、週末に少しだけ演奏するというあなたから、初めてエレキギターを触ったばかりのあなたまで、安価でもしっかりと素晴らしいサウンドを聞かせてくれるエフェクター達を集めてみました。もちろん元になったエフェクターのサウンドも素晴らしい物ばかりなので、聴き比べてみたり、実際に楽器屋に足を運んで比べてみる!なんていうのも楽しいかもしれませんね。是非楽しい音楽ライフをお過ごし下さい!
関連記事
関連記事