初心者に最適なギター弦の選び方|はじめに
弦無くしてギター無しとはよく言ったもので、どんなに高価なギターがあっても弦が無くては音は出ません。(当然ですね)ただ、初心者のうちは弦一つとっても選ぶ基準が解らないというもの、そこで今回はギターの弦を特集してみることにします。世界中に散らばるギターの弦の中から、ベストな物だけを集めたので、じっくりと読み込んで、自分に合いそうな弦を探してみましょう。
弦はギター演奏の根本を成すものです。しかしながら、あなたがギタープレイヤーとしての道を歩き出した時には、楽器屋の、もしくはオンラインストアの壁一面にかけられたギターの弦を見て圧倒されることでしょう。そこから一つを選ぶというのはとても難しいということに他なりません。
この記事では数種類の弦をご紹介します、エレキギター用、アコースティックギター用、クラシックギター用の3種類です。弦のゲージの違いなどで演奏のし易さや音色などが大きく変わってしまうため、人によっては、合わない弦を選んでしまったがために、ギターを挫折してしまったということが起こりえます。初心者の人こそ、正しい弦に対する知識が必要となることが理解できたと思います。
指が強くなってきて、指先が硬くなってきて、ギターが弾きやすくなったと感じるように、弦も自分にあったものをチョイスして上達の味方にしてしまいましょう!手っ取り早く結果を知りたい人は、一番下までスクロールしてみましょう!
ベストな弦の選び方:弦の歴史
遥か昔のこと、ギターの弦は動物の腸から作られていたということはご存知でしたか?クラシックギターのようなナイロン弦を使うギターのことを”ガットギター”と呼ぶのを聞いたことがあるでしょうか?これは英語で内臓を表す”gut”から由来するもので、1900年代初頭では当たり前のように動物の内蔵が使われていました。ちょっと驚きです。
喜ばしいことに技術の発展によって、2020年現在では様々な金属から、ナイロンやスチールなどを素材として弦を製作しているため、動物の犠牲を伴う必要はなくなりました。
エレキ弦vsアコギ弦vsナイロン弦
エレキギター弦
ギター弦は大きく分けて3つのカテゴリーに分けることができます。エレキギター弦、アコースティックギター弦、ナイロン弦です。エレクトリックギター用は主に金属製でスチールかニッケルが用いられます。1-3弦までをプレーン弦とよび、4-6弦は巻き弦と呼ばれ、スチールの弦に金属を巻きつけて作製されています。低音弦の触り心地がざらざらしているのは、これが原因なのですね。ニッケルは明るい音色で、スチールよりも柔らかく、押さえるのが楽です。
アコースティックギター弦
アコースティックギター弦も同様に金属製で、たいていはブロンズ、フォスファーブロンズ、ブラス、ニッケル、スチールなどが用いられます。こちらは低音弦側の4つが巻き弦となっており、スチールの線芯に銅を巻きつけたものとなっています。Ernie Ball Earthwood Extra SoftやLe BellaのSilk and Steelはシルクが使われており、より柔らかい触り心地と、弦上をスライドした時に鳴る”キュッキュッ”というような音が発生するのを抑えるよう作られています。
フォスファーブロンズはアコースティックギターの定番で、合金を使用することで弦の寿命を長くする効果があります。最近ではアンチラスト(錆び)やロングライフ弦なども登場しているので馴染みがあるかもしれません。Elixirはコーテッド弦の先駆者として有名で、触り心地や音に変化なく、劇的に弦の寿命を増加させたことで知られています。Ernie BallではParadigm D’AddarioはEXPなどが発売されていますが、その分普通の弦よりは高価になってしまいます
ナイロン弦
ナイロン弦はエレキやアコギ弦などとは違って、ボールエンドと呼ばれる、弦を止めるストッパーが無く、ブリッジに弦を結びつけることで固定するシンプルな作りになっています。
ナイロン弦はクラシック音楽やフラメンコなどで用いられる弦で、こちらの巻弦はマルチフィラメント芯に鉄や銅を巻きつけたものとなっています。柔らかい音や触り心地とメロウな音色が特徴的な弦です。
エレキギターの曲、アコースティックの曲、クラシックギターの曲などを聞き比べて、それぞれの違いを知ることで、ギターの弦の違いが、音楽にどういった影響をもたらすのかを感じてみましょう。
ギター弦の選び方:どんな太さの弦を使えばいい?
一般的なチューニングでは、ギターの弦は低音弦側からE A D G B Eの、それぞれの音にチューニングします。低音弦のEは6弦のことです。高い方のEを1弦と呼び、これが一番細い弦になります。これは高い音程を出すためにはより細い弦をより強く張る必要があるためです。同様に低い音程では弦が太い必要があるため、このようにチューニングの異なる6本の弦を使います。
もし1弦を3弦に張るとどうなってしまうかというと、Gの音程までチューニングしても、十分な張力が得られず演奏するのが困難になります。この弦の関係性を理解することで、ゲージの違いがどのように音に影響が出るか理解しやすくなります。
弦の太さによって呼び方が異なり、ライトゲージと呼ばれるセットでは 細い方から.009 〜.042となります。このゲージは弦のテンション(張力)が弱いため演奏しやすく、指の痛みも少し楽になります。これらのメリットから早弾きをするようなギタリストはライトゲージを好んで使うことが多いです。チョーキングがしやすいというメリットも挙げられますね。
もしあなたが初めてギターを演奏するのであれば、エクストラライトやライトゲージをチョイスするのが良いでしょう。指に優しいですし、まだ指の柔軟性もついていないので、弦を押さえるのが少し楽になると感じるはずです。楽器屋さんで注文する時は“ダダリオのライトゲージを下さい!”などと頼むのが良いということですね。
一般的なエレキギター弦の呼び方とゲージ
- エクストラライト – .008, .010, .015, 021, .030, .038
- ライト – .009 .011 .016 .024 .032 .042
- ミディアム – .010 .013 .017 .026 .036 .046
- ヘビー – .011 .015 .022 .030 .042 .054
- エクストラヘビー – 012, .016 .020, .034, .046, .060
これらの弦の音に対する影響はどれくらいあるでしょうか?少しです。ミディアムゲージを選択した場合は、少し音に深みが出て、ボリュームが大きくなります。少し高音が落ち着く効果もあるでしょう。流石にエクストラライトとエクストラヘビーを比較すれば違いは大きいですが、表で隣同士になっている弦に関してはそこまで大きな差は無いと考えて良いでしょう。熟練したギタープレイヤーであっても、ミディアムゲージが張られたギターを演奏して”これ弾きやすいから、ライトゲージだよね?”と聞いてくることもありますから。
これらの違いはアコースティックギターでは、もっとはっきりしてきます。アコースティックギターの構造はシンプルなので、ギターの弦の影響が大きいからです。
ナイロン弦では、ライト/ミディアム/ハードといったテンションで分かれます。ナイロン弦はより指に優しいのでライトかミディアムがベストなチョイスとなるでしょう。よりメロウで魅力的な音色を奏でてくれますよ。
一般的なアコギ弦のゲージ
- エクストラライト – .010 .014 .023 .030 .039 .047
- カスタムライト – .011 .015 .023 .032 .042 .052
- ライト – .012 .016 .025 .032 .042 .054
- ミディアム – .013 .017 .026 .035 .045 .056
- ヘビー – .014 .018 .027 .039 .049 .059
試していくうちに段々と好みが分かってくるでしょう。その時の判断基準は”弾きやすくて、音も良い”ことが正しいと理解しましょう。例外として、ヘビーやコア系の楽曲を演奏したくて、ダウンチューニングを使うような曲を演奏する場合にはエクストラヘビーをチョイスしましょう。細い弦でダウンチューニングをすると弦の張力が足りず、ピッチが悪くなったり、演奏しづらくなったりします。演奏するジャンルに合わせて弦をチョイスしましょう。
ギター弦の選び方:どれくらいの頻度で弦を交換すればいいの?
この問題は大抵好みの問題ということになってしまいます。練習後にこまめにクロスで弦を掃除すれば、その分弦は長持ちします。同様にGHSのFast Fretなどを使うことで滑りもよくして弦をコーティングすることができ、ギターの弦をよりよいコンディションでキープすることができるでしょう。
寿命がつきて、音に輝きが無くなったり、音が鈍くなったり、ざらついたりしたら交換の時期ということになります。交換した後の弦は、最も音が明るく、それも良さがありますが、2.3時間演奏した後の弦の方がチューニングも安定して、高音も落ち着いて演奏しやすくなります。張り替えた後は少し演奏して慣らすようにしましょう。
大事なことは実験してみることです。弦に関して言えば、ラッキーなことにそこまで高価ではないので、興味を持ったら色々な弦を試しに使ってみましょう。試していくうちに、弦の違いによって弾きやすさや音がどう変わっていくのかを学ぶの有意義な経験です。たまには背伸びしてコーテッド弦を張って、つるつるした感触にうっとりするのも楽しいかもしれません。
初心者に最適なギター弦:エレキギター弦
1. D’Addario XL
D’Addario XLはどこの楽器屋さんでも変えます。大抵のギターを買った時に張ってあるのがこのゲージであることからも、その信頼性の高さが伺えます。ボールエンドが色分けされており、初心者が戸惑いがちな、どの弦をどこにセットするのかが解りやすいのも魅力です。
スーパーライトゲージをおすすめしましたが、ダダリオはたくさんの種類のゲージを作っているので、もっと細いゲージを選ぶこともできます。活き活きとして倍音豊かで演奏もしやすい、定番になるのは理由があります。安いのも魅力の一つですね!
2.Ernie Ball Super Slinky
- Good – 素晴らしいサウンド
こちらも大定番のアーニーボール弦、ダダリオ同様プロの愛用者も多く、エレキギターに関してはこのどちらのメーカーから選んでおけば間違いないでしょう。
ピンクのパッケージがライトゲージの目印ですが、Hybrid Slinkyという低音弦が太くなっているゲージも発売されており、ダウンチューニングを使用する、ドロップDなどを使用する曲を練習する場合に、チョイスすると良い結果を産んでくれるでしょう。
ダダリオと共に素晴らしいサウンド、安定したピッチ、作りの良さなどから価格以上の価値があるギター弦です。あとはプレイスタイルに合ったゲージをチョイスするだけですね!
初心者に最適なギター弦:アコースティックギター弦
1.Martin Authentic Acoustic Extra Light
アコースティックにおいて、Martinはスチール弦の先駆者でもありました。多くのアコースティックの名機を産み出したMartinが作った弦はプロの愛用者も多く定番のギター弦です。Custom Lightセットは通常のライトゲージより僅かに細いゲージを採用しています。
良い価格で、錆びにくく長持ちし、しっかりケアしてあげればずっとピカピカのままでいてくれるでしょう。音も大きく厚く落ち着いた音色です。このゲージでも押さえづらいと感じた場合は、エクストラライトゲージをチョイスすることで、弾きやすくすることができます。
初心者に最適なギター弦:ナイロン弦
1. Ernie Ball Ernesto Palla
Ernst Pallaはナイロン弦デビューするのに最適な弦です。USA製の弦で、音はナイロン弦らしいメロウで、正確な音色です。昔ながらのブリッジに巻きつけるタイプの弦ですが、クラシックやフラメンコ、ボサノヴァのギターに最適です。
2. D’Addario Pro-Arté
プロアルテはD’ Addarioからリリースされているナイロン弦で、バランスや音色の素晴らしさから人気の高い弦です。ライトゲージは演奏しやすいのも特徴です。
ナイロン弦は指の痛みに悩むことは少ない弦です。押さえるのにコツがいるため、よい練習のパートナーになってくれるのも大きな利点となります。
ギター弦のアクセサリー
1. D’Addario Pro-Winder String Winder & Cutter
必ず必要という訳ではありませんが、この小さなツールを一度使うと、元には戻れないという程便利なツールです。これは弦を切るカッターと、巻き取りを楽にするワインダーがセットになったもので、カッターに関しては、押しつぶして切るようになっているため、刃が出ておらず安全です。ワインダーは少しコツが必要ですが、手で巻きとるよりかなり早くなるため、交換が多くなってきたら、段々と欲しくなってくる機材と言えるでしょう。
2. GHS Fast Fret
こちらも必ず必要な機材ではありませんが、弦の滑りを良くする効果と、弦の掃除が一度に出来るツールです。演奏する前に一塗り、演奏後に一塗りで、弦を簡単に長持ちさせることが出来ます。硬いスポンジに潤滑剤が染み込んでいるため、思いの外長く使えること、スプレー式でないので、安全なことなど、こちらもとても便利なグッズなので、興味があったら購入してみましょう!
初心者に最適なギター弦の選び方 – 終わりに
この記事を最後まで読んでくれたあなたには、読む前よりも多くの知識がついたのではないでしょうか?この記事を通して、あなたに最適な弦が見つかることを願っています。ギターの弦は放っておくと、オクターブのチューニングが狂ってしまい、音程が合わなくなっていきます。(開放弦では合ってるけど、5弦では狂ってしまうなど)ですので、初心者のうちはこまめにメンテナンスをして、正しい音程を身につけるように努力をすると、後々困らずに済みますので、ぜひこの機会に弦の交換にチャレンジしてみましょう!
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