Stevie Ray Vaughan -使用機材-

アメリカ出身のギタリスト/シンガー。テキサスブルースの伝説的なギタリスト。Jimi Hendrixから繋がる系譜で数多くのフォロワーを生み出し、ブルースギターの存続に大きな貢献を果たした。芳醇なベルトーンで、ストラトキャスターの理想とまで言える彼のギターサウンドを支えた音楽機材にフォーカスを当てる。

使用機材

《Guitars》

Guitars(11)
Fender Stratocaster “Number One”
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◎Fenderのストラトキャスター。#1(ナンバーワン)と呼ばれた伝説のギター。彼のギターとして思い浮かべる人も多いだろう。彼のプレイにより激しい傷が刻まれたギターでブリッジが左効き用の物に交換されている他、ゴールドハードウェアなど、強い印象を与える風格のあるギターだ。1963年製のアルダー・ボディ、ネックは1962年製、ピックアップは1959年製、フレットはジャンボフレットである6100番に打ち替えられ。ぺグはオリジナルのクルーソン社製から、Sharlle製のロトマチックペグで、パール柄の樹脂製のペグボタンのタイプに交換されている。

当初のネックはフレット打ち替えの際に指板を削正(弦の張力や湿度変化などで歪んだ指板面を削って整形すること)出来る限界に達した為、1989年に同じくSRV所有であったストラトキャスター(通称「スコッチ」)のものに交換されている。更に1990年にコンサート会場で機材が落下する事故が発生し、「スコッチ」から移植されたネックも折損した。そこで当時のSRVのギター・テクニシャンであったレネ・マルティネスがフェンダー社のカスタムショップに1963年仕様のストラトキャスターのネックの新作を依頼し、SRVがこのギターを入手して以降では3本目のネックとして「ナンバー・ワン」のボディに取り付けられた。

1965 Composite Fender Stratocaster ‘Lenny’
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◎Fenderのストラトキャスター。”1980年、スティービーレイヴォーンはテキサスの質屋で65年のストラトに出くわしました。ピックアップは時間の経過によって荒廃し、ギターは雑にリフィニッシュされていましたが、その姿が苦悩しているアーティストに共鳴し、ヴォーンの妻レノラは、ヴォーンの友人7人から50ドルを集めて、350ドルの提示価格を満たし、誕生日にギターをプレゼントしました。ヴォーンはその贈り物にとても感動したので、彼は一晩中ギターを弾き、妻のために歌を書き、翌朝目が覚めたときに妻のためにそれを演奏しました。曲とギターはどちらも愛情を込めて妻の愛称である”Lenny”という名前になった。”

ボディがウォルナットブラウンに塗り替えられ、ブリッジ後部に旧いマンドリンから外したピックガードを埋め込んでいる個体。トレモロユニットはオリジナルの物からマイティマイト社製の物に交換されている

Hamiltone SRV
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◎ハミルトンのカスタムメイドギター。ライブなどで使用が確認できる。3つ作られたうちの一つでZZ TOPのビリーギボンズからのギフトとして送られたモデル。

Charley Wirz Custom Strat Replica
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◎ダラスのギターショップのオーナーであるチャーリーウィルズによって作られたカスタムストラトキャスター。”チャーリー”と呼ばれたモデルでスペアパーツで組み立てられたモデル。リップスティックピックアップが印象的なギターだ。

Gibson Flying V
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◎GibsonのフライングV。MTV Japanのギグで使用が確認できる。

Tokai TST 50
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◎Tokaiのストラト。80年代にエンドースしていた際のギター。

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Epiphone
◎Epiphoneのセミアコ。”hideaway”の演奏時によく手に取られていた。

National Style N Guitar
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◎ライブで使用されたドブロギター。

Guild JF65-12
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◎Guildの12弦。MTV Unpluggedで使用されたギター。

Takamine EG530SC
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◎ロニーマックとの共演の際に使用されたアコースティック。

Gibson L-1
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◎参考資料の動画に確認できるアコースティックギター。

Fender Stevie Ray Vaughan’s 1959 Fender Stratocaster
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◎”ヴァニラファッジのリードギタリストであるVince Martellが所有しており、ダラスのCharley’s GuitarShopのCharleyWirzに販売していました。前の所有者は4つのハムバッカーを取り付けるためにボディをくり抜いていたが、Wirzはそれらを取り外し、新しいピックガードを取り付け、フェンダーのシングルコイルピックアップをネックの位置に配置した。彼はまた全身を黄色に塗り、シャーベル真鍮トレモロシステムを設置しました。その後、チャーリーは1981年の初めにスティービーにギターを渡しました。スティービーは2つのピックアップが通常は弦のすぐ下に配置されるSRVデカールを追加しました。これはおそらく、スティービーがアルバムバージョンの「HoneyBee」と「TellMe」で演奏し、セットの最後の曲「CollinsShuffle」のDVD「LiveatMontreux」でライブしたギターでした。”

イエローは最終的に1985年にニューヨークのアルバニー国際空港で盗まれ、現在も見つかっていない。

Gibson Johnny Smith
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◎Gibsonのフルアコ。 “Couldn’t Stand The Weather” の”Stangs Swang” で使用された。
Amps(9)
Dumble Steel String Singer Amp
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◎ダンブルのアンプヘッド。彼のキャリアの大半で使用された伝説的なアンプ。非常にクリーンなセッティングかつ非常に大きなボリュームで使用されたとのこと。このアンプを含め複数台のアンプを並べて、彼独自のトーンを形成していたようだ。

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Fender(フェンダー)
◎Fenderのコンボアンプ。彼のキャリアの大半で使用されたアンプ。SSSと併せて彼のサウンドを語る上で外すことのできないアンプと言えるだろう。

Fender ’64 Vibroverb
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◎Fenderのコンボアンプ。Stevie Ray Vaughanは、キャリアの開始から80年代初頭まで、2つの1964 Vibroverbアンプを使用し、その後、すでにここにリストされている多数の大きなアンプに置き換えました。彼が最初に持っていた2つのVibroverbアンプは、後でセザール・ディアスによってカスタムされ、整流器を追加し、ヘッドルームを増やし、SRVの大音量でのパフォーマンスでも耐えうる仕様にしたとのこと。 Vibroverbアンプは、初期のStevie Ray Vaughanのキャリアの象徴的な定番となり、彼のデビューアルバムであるTexasFloodで聞かれる伝説的なトーンに貢献したアンプだ。

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Fender(フェンダー)
◎Fenderのコンボアンプ。1985年の日本ツアーでSSSの代わりに、フェンダーツインリバーブアンプのペア(60年代半ばの85ワットのブラックフェイスモデルと70年代後半の100ワットのシルバーフェイスバージョンとマスターボリュームモデル)を使用しました。ツインズはそのツアーの後に彼のリグから姿を消しましたが、1987年に一時的に彼のVibroverbコンボを交換したときに短期間だけ再使用したのが確認されている。

Marshall Major
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◎Marshallのヘッドアンプ。参考資料の画像に確認できるモデル。

Marshall Plexi 1959SLP 100W Tube Guitar Amp Head
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◎Marshallのヘッドアンプ。上記モデルとこちらのモデルのどちらかを使用したと思われる。

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Fender(フェンダー)
◎Fenderのアンプヘッド。いくつかのステージで使用が確認できる。4×12のキャビネットと共に使用されている。

Fender Bassman 4×12″ Cabinet
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◎Fenderのキャビネット。同上。

Fender Vibratone Leslie speaker
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◎レズリースピーカー。こちらもステージに設置されていたようだ。
Effect Pedals(8)
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Ibanez(アイバニーズ)
◎IbanezのOD。初期型が足元に配置されているのが確認できる、彼の使用で有名なペダルでもある。

◎DunlopのFUZZ。参考資料の画像に確認できる。

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Ibanez(アイバニーズ)
◎IbanezのOD。TSの新作が出るたびに新しい物を試していたようで、808からTS9、最終的にTS10がボードに並んでいたようだ。

◎タイコブレアのオクターブファズ。”ヘンドリックストーンをエミュレートするために使用したもう1つの重要なエフェクトは、オクターブアップエフェクトを生成するオクタビアファズペダルでした。 Vaughanは当初RogerMayer Octaviaペダル(独特の「宇宙船」の金属製の箱に収納されていました)を使用していましたが、Diazが3つのNew Old Stock Tycobrahe Octaviaペダルを見つけたとき、Vaughanはそれらに切り替えました。

彼のギターテクニシャン、ルネ・マルティネスは、スティービーはタイコブラヘのペダルが彼が今まで聞いた中で最高のオクタビア効果を生み出したと思ったと言います。ヴォーンは、チューブスクリーマーと一緒に使用したときのオクタビアの響きが特に気に入っていたようでした。”とギターワールドの記事にある。

◎ROGER MAYERのオクターブファズ。タイコブレアの前に使用されていたもの。エフェクトチェインの最終段に置かれていたようだ。

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Ibanez(アイバニーズ)
◎IbanezのOD。キャリアの後期に使用されていたもの、彼の名前を聞いた時に思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

Univox U-915 Uni-Vibe
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◎UniVoxのユニヴァイブ。オースティンに実際に使用された物が展示されているようだ。

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VOX(ヴォックス)
◎VOXのワウ。”ヴォーンが選んだワウペダルは、もともとジミヘンドリックスが所有していた60年代のVoxV846でした。スティービーの兄弟であるジミーヴォーンは、ジミーのバンドがフォートワースのエクスペリエンスと共演したときに、ヘンドリックスからペダルを購入しました。ヴォーンは他のいくつかのVoxワウペダルを所有しており、日本のTDKインダクターを備えた70年代初頭のバージョンが非常に好きだったと言われている。

ヴォーンはヘンドリックスのカバー’Telephone Song’を the Vaughan Brothers’ Family Styleで演奏した際にVoxのワウを使用したことを始め。2つのワウを同時に使用して”SayWhat”を録音たことも有名な逸話として残っているようだ。

◎ダンロップのワウ。オースティンのギターセンターに実機が展示されている。VOXと並んでキャリアの大半で所持していたが、メインのワウとして使用されていたことはなかったようだ。

◎BOSSのデジタルディレイ。ライブ写真に確認できるディレイ。アウトプットの数からこのモデルだと推察される。

Electro-Harmonix EH-1335/EH-3075 Hot Tubes
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◎1987年のオーシャンセンターでのCold Shotのソロで使用されたエフェクト。
Accessories(1)
◎GHSのギター弦。.013、.015、.019、.028、.038、.058という変則的なヘヴィーゲージを使用していたことで有名だ、ネックは大きく反っていて弦高も12フレットの位置で約3mm弱と非常に高く、彼のギターを手にした事がある人は一様に「とても弾けた物じゃない」「並みの握力では弦を押さえる事も出来ない」と言うほど極端なセッティングであった。生前このセッティングについて「とにかく手が痛くなるし演奏するのは大変だけど、この方がいいトーンが得られるんだ」とコメントしている。また彼はティアドロップ形のピックの尖った部分ではなく丸い部分を弦に当てて弾いていたとのこと。

《Studio Equipment》

Recording Gear(1)
Roland SDD-320 Dimension D
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◎Rolandのコーラスユニット。ライブで使われることは無かったようだが、レコーディング時の秘密兵器としてギタートラックに厚みを加える目的で使用された。デヴィッドボウイのレッツダンスのレコーディング時に初めて使用した際に、このコーラスが彼のギターサウンドを変えることなく厚みを加えたことで好まれたとのこと。

Mary Had a Little Lamb” や “Pride and Joy”を始めとするTexas Floodや Couldn’t Stand the Weatherなどのアルバムのソロパートで使用された。ミキシングコンソールの鮮度リターンを介して、彼自身でエフェクト量を調整していたとGuitar Worldの記事にある。

参考資料

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/スティーヴィー・レイ・ヴォーン

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