前回はLogicのコンプ編だったので、今回はProTools編、の前に音圧管理の手法を学んでいきます。超大雑把な音圧の説明から始めます。
音圧とは
音圧がある、高いとは、大きい音が継続的に続く状態です。これを示す指数にRMSがあります、聴感上の音圧の大きさを示す数値だと考えましょう。値はLufsと表記します。この数値が高い程音圧が高い状態を示します。
じゃあLufsあげればいいんじゃん!
ところが、そう簡単にも行きません、これには色々理由もあるんですが超大雑把なので解説しません。気になる人は調べてみましょう。
とりあえずRMSを稼いでみる
とはいえ折角得た知識なので、Lufsを稼いでみましょう。マスタリングの最終段にラウドネスメーターをインサートします。Logicはほんと便利なものがたくさんついてます。
めっちゃでかでかと書いてますね、Lufs。M/Sと分かれてるのはミッド/サイドの略でセンターとLRを別で測定したものということになります。リミッターやらなんやらをガッツリかけて-6.3という数値が出てます。これがどれくらい音圧を稼いでるかというと。
めちゃめちゃうるさい!
全然音楽的じゃありません。ただまぁ、これぐらいうるさかったらそれはそれで味わい深い物があります。なんかこう、しみじみと「あぁ…うるせぇなこの音源…。」て遠い目をしたくなります。
話がそれました、じゃあどれぐらいが適正値かというと。
- クラシックや編成の少ない静かな曲-18〜-12Lufs
- 普通のポップスやR&Bなど曲-12〜8Lufs
- ラウドなEDMやロック曲-10〜-6Lufs
くらいを目安にします。これも超大雑把な数値です、し、もちろんメーターばかり当てにしてはいけません。一番はリファレンス音源と耳で比較!これは鉄則です。
Lufsがめちゃめちゃ高くても綺麗にリミッティングできていない場合は音が潰れて小さく感じますし、綺麗に帯域やダイナミクスが整理できていればLufsが低くても音像をダイナミックに感じることが出来ます。
配信先のレベルで管理する
とはいえ、なんでもかんでも音圧あげまくり、小さい曲はあまり良く聞こえない!という状況を避けるために各配信サービスではラウドネスノーマライズが行われております。簡単に言うと
でかい音送って来たらこっちで勝手に下げるからね!
という話です。つまり先ほどのLufsに基づいて規定値をオーバーした物に関してはフェーダーでボリューム下げまっせということです。Spotifyなどは逆に
音小さいのはこっちでリミッターかけて音上げるからね!
という機能までついてます。これにより音圧戦争をやめにして、音楽的な豊かさで作品を対等に評価しようという訳です、丁寧に説明まであります。めちゃくちゃ素晴らしいと思う。しかもリミッターのアタックリリースの値まで説明があるという、Spotifyの製作チームは本当に音楽が好きなんだと思う、気になる人は調べてみて下さい。
YouTube,Spotify,Tidal,AppleMusicなどなど、それぞれ、何Lufsが基準になっているかを調べて、適切な音圧でリミッティングして配信すると、丹精込めて作った音源の音量が、意図せず下がるのを回避することができます。
超大雑把な音圧管理TIPSまとめ
超大雑把にまとめると、
- 音圧にはRMSという指数がありLufsがそれ
- Lufsが高い程、音圧が高い状態を示す
- 何を基準にLufsを設定するかは配信サービスの規定値を調べる
- Lufsと自分の耳を上手に使って目指す音源に近い音圧を設定する
以上となります。なんでもかんでも上げりゃいいってもんじゃないです、それを証拠にサブスクが日本より浸透している海外ではRMSはそんなに稼がないのがトレンドになっているようです、日本でもそろそろ「これうるさくない?チルしてなくない?」という流れがきつつある予感。
まぁなんにせよ、上手に音圧を稼げるようになってから、上手に下げる手法を学ぶって感じでいいと思います。無い袖は振れないので。
次回は上記を踏まえてProToolsでのコンプ&音圧管理をまとめていきましょう。
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